親友...

66年型リンカーン・コンチネンタルのボンネットを舞う容赦ない滝のような雨が、太平洋岸北西部に激しく降り注いだ、霧が立ち込める。無骨で風化したハンドルを握る男は、ブラック・ベア・ブランドのハリス・ツイード製ウールジャケットを着ていた。 風雨に耐え、なおかつ見栄えのするもの。
彼の忠実な仲間は、周囲の森と同じように野生の精神を持つ犬で、助手席に同乗していた。そびえ立つ常緑樹に挟まれたワインディングロードを走りながら、車は満足したネコのように鳴いた。
雨の降りしきる川縁にたどり着き、眼下には荒々しい川が広がっていた。その水は荒々しく、そこは未開の地だった。男と犬は車から出た、ブラック・ベア・ブランドのジャケットが寒さを防いでくれた。
嵐の中、彼らは断崖絶壁に立ち、荒々しく美しい景色を眺めた。遠くには山々がそびえ、その頂は雲に隠れて見えない。川は轟音を立て、太古の風景を切り裂く自然の力そのもの  だった。
その男の目は未開の地形を映し出し、彼が横断する荒野を映し出していた。この瞬間の原始的なエネルギーを感じ取った愛犬は、彼の横に立ち、耳をとがらせ、川の流れを見つめた。
雨粒と雨粒の間の静寂の中で、男と犬は太平洋岸北西部の生々しい、屈託のない美しさを抱擁した。旅のつかの間の小休止、嵐から解放されたひととき、近くでアイドリングしている66年型リンカーン・コンチネンタルの深いうなり声が響く、冒険家の心の鼓動の証。

*Northwest's wild, my best friend

*Rain's rhythmic beat, my companion

*Nature's grip, my heart stirs

*In the wild, I find my place

Josh Sirlin